シルエット

無い物ねだりをするのは人である証か、恵まれた環境下においても更なるコンディションを求めてしまう。
いよいよライディングシーズンの真っ只中に突入し、朝晩心行くまで乗れる。

陽が延び、仕事も繁忙期から解放され、夕方会社から一目散に向かうは夕暮れ間際の航空公園。
夜乗れる場所ではなく、朝と同じこの広い駐車場で乗りたい!そんな欲に任せ乗り始めては、日没間際の覚醒ムーブメントに我を忘れる。

気がつけば朝晩朝晩、そのペースを3~4日繰り返したあたりで、身体は順調に悲鳴を上げて行く。
寝起きの怠さ、その身体の重さたるや鉛が如し。

明日の朝は休憩し、その時間をマシンのメンテナンスに充てよう。
だが、そのメンテナンスを航空公園で行うということは・・

少し時間が余ったから乗ってく?

・・始まりました、休憩することができない残念な僕。
乗ってみれば、G-SWING無敵モード・・調子に乗りKevinチックにランディーロールで戻ってみたり。

往年のG-SWINGを去年の秋に引っ張り出し、長年放置の代償を受け止めながらもだいぶ復活の兆しを感じていた最近。
時々はまり所があり、そのゾーンに入れれば難しく考えることは何もなく、あたかもピンキースタンスで繰り返し回すことができる。

まず大前提において言えること。
G-SWINGの鉄則、両手でバーを持つフロントトリックに共通して言えることかもしれないが、視界にバーが入ってはいけない。

視界にバーが見えている=身体に対してバーが前にある=身体がフロントホイールの真上にない
これでは絶対にできるはずがない。バーは常に腰に最も近い位置をキープしなくてはいけない。

ゾーンに入れている時、それは回しながら視界の1mほど先に見える自分の影を見ながら理想像に当てはめて行ける時。
足下を見ているとできないトリックは多く、ホイールの位置やペグの位置を覚えた上、視線はやや先の方にやることを意識するのに、自分の影を見ることが効果的だと今更ながら悟った。

シルエット(フランス語: silhouette)
影を見ただけで、誰だかわかるくらい個性的なライダーになりたい。

気持ち良いライディングの余韻に浸り過ぎて、会社には遅刻寸前。
・・はい、嬉しい悲鳴か全く以て身体の休まる時間はありません 笑